事例05:山口大学大学院
医学系研究科 法医学講座
藤宮 龍也 教授 様、姫宮 彩子 助教 様
法医学分野でのアセトアルデヒド、エタノール測定(含む今後の可能性について)
概要
導入の背景
- アルコール薬物中毒の研究でのアセトアルデヒド、エタノール測定は、通常血液中のアセトアルデヒドとエタノールをガスクロマトグラフィー・気化平衡法で測定する。
- 飲酒後の呼気中エタノール、アセトアルデヒドについては、これらの血中動態の吸収期に対応する動態についてあまり詳しく解明されていない。
- 一方、飲酒検問などにおける呼気アルコール検査で、非飲酒者が検査基準に抵触するなど飲酒に起因する呼気中エタノールと通常の食事などの生活に由来する呼気エタノールとの区分を法医学的により明確にする必要がある。
経緯
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稼働中のSGC®(SGEA-P2-A)
- 血液中エタノール、アセトアルデヒドの測定には、ガスクロマトグラフィー(GC)を使用するが、ヒトでの動態の研究においては頻回の採血が必要となり、侵襲が少なくない。一方で呼気は採取が容易であり、頻回にサンプルを得ることができる。薬物動態解析には多数のデータが必要なため、より簡便な測定法を探していた。
- 飲酒に関連した呼気中アセトアルデヒド、エタノールの動態の詳細が明らかにできれば、法医実務におけるアプローチが増えるため、より高感度のガスクロマトグラフィーを探していた。
成果
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実際に測定している風景
- 現在、飲酒をした場合、アルコールのうがいのみを行った場合など諸条件を変えながら呼気中アセトアルデヒド、エタノールの動態研究をしている。
- 今後、本研究結果と血液中アセトアルデヒド、エタノールとの相関性に考慮しながら、法医実務に応用できるよう発展させたい。